ビタミンAの種類と抗老化作用

レチノールとは?

レチノールとはビタミンAのことです。

レチノイドというのは、ビタミンA類全般のことを指し、その中にレチノール、レチナール、レチノイン酸などが含まれます。広義にはビタミンAはレチノイド類の総称として使用されています。以下はビタミンAの種類を簡単に図示したものです。

化粧品成分として配合されているレチノイドは、主にレチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールの3つです。レチノールを他の2つと区別するために「純粋レチノール」と呼んでいる化粧品会社もあります。

医薬品として用いられているレチノイドは、トレチノインやイソトレチノインがありますが、それらはレチノイン酸に含まれます。

アンチエイジング作用(抗老化作用)

レチノイン酸は、多数の研究で老化した肌を改善させるアンチエイジング作用(抗老化作用)が示されていますが、レチノールもレチノイン酸と同様に、ケラチノサイトの増殖を刺激し、表皮の厚さを増加させます2 3

0.4%レチノールは、ヒト試験で真皮の線維芽細胞を活性化させ、内皮細胞の増殖と細胞外マトリックス(ECM)の産生を刺激することで、顕著なアンチエイジング作用を示すことや2、0.04%レチノールは、皮膚のエラスチン産生を誘導することが報告されています7

つまり、レチノールは表皮を健やかにし、真皮のコラーゲンやエラスチン産生を刺激してハリのある肌を保つ作用を持ちます。

※細胞外マトリックス(ECM, Extracellular Matrix)…すべての組織にある非細胞性の構成成分で、水、タンパク質、多糖類で構成されています。ECM中の主なタンパク質は、コラーゲン、プロテオグリカン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンなどです4

光老化・光損傷の改善作用

日本人女性を対象に、0.075%レチノールを26週間使用して、光老化によるシワの改善度を調べた試験では、レチノールを使用していない半顔と比較して、レチノールを使用した半顔では、細かいシワ、深いシワとも有意に改善していたことが報告されています5

0.1%レチノールを用いた二重盲検試験でも、4週間のレチノールの使用で、小皺や深いシワ、色素沈着、弾力性、ハリなどの点において、光損傷からの改善が見られました6

皮膚の老化を引き起こす主な要因は、太陽からの紫外線ですが、レチノールは紫外線よる光老化を改善する作用があります。

参考文献とサイト